ベットサイズのテル — サイズから手を逆算する
物理的なテル——手の震えや視線——はライブの話だ。だがオンラインでも、相手は毎ハンド情報を漏らしている。ベットサイズそのものが、最大のテルだ。
GTOではサイズとレンジは「混合」され、同じサイズに強弱が均等に混ざる。だが母集団はそんな器用なことをしない。サイズごとに手の強さが偏る——サイズ・テルだ。ハンター試験を抜けた君は、相手の額を見た瞬間にレンジを逆算できなければならない。
ベットサイズの基本対応表
母集団の典型的なサイズ・テルを、ストリート別にまとめる。あくまで「未調整プレイヤー」の傾向で、上級者には当てはまらない。
サイズ 典型的な意味(未調整の相手)
1/4〜1/3 ポット 弱いバリュー・ブロックベット・様子見
1/2 ポット 標準。レンジが最も広く読みにくい
2/3〜3/4 ポット そこそこのバリュー・厚めのドロー
ポット〜オーバー ポラライズ。ナッツ級 or 純ブラフの二極
極端なオーバーベット 強いバリューに偏りがち(ブラフは作れない人が多い)注意すべきは「ポット以上」の解釈だ。理論的にはポラライズ(極端な二極)だが、母集団はオーバーベットでブラフを撃つ訓練ができていない。だから低レートのオーバーベットは、ポラライズというより「デカいバリュー」に寄る。降りてよい局面が多い。
① 小さすぎるベットは「触ってほしい」
1/4〜1/3ポットの小さなベットには、二つの顔がある。
- 弱バリュー型:トップペア弱キッカーなど、コールは欲しいが大きく打つ勇気はない手
- ブロックベット型:自分が弱く、相手の大きいベットを防ぎたい防御的なベット
どちらも「安く済ませたい」心理が透ける。ここはレイズが効く。とくにリバーの小さいブロックベットは、レイズで降ろせる頻度が高い。相手は「安く見せたかった」だけで、レイズに耐えるレンジを持っていない。
② ポット超えは降りていい(プール限定)
前述の通り、母集団のオーバーベットはバリュー偏重だ。
- ターン・リバーでいきなりポット超えが飛んできたら、ブラフの割合は理論値より大幅に低いと見る
- セオリーなら一定頻度コールすべきでも、未調整の相手相手には素直に降りてEVが上がる
- 例外は「明確なブラファー」とプロファイルできている相手。LAG・ファンシープレイヤーは逆にオーバーベットでブラフを撃つ
オーバーベットへの対応
未調整プール :ブラフ少 → 過剰フォールド可
上級者・LAG :ポラライズ正常 → MDF通りに守る③ サイズの「変化」が最大のテル
絶対値より雄弁なのが、同じ相手のサイズの変化だ。人は無意識にサイズで本音を語る。
- いつも1/2なのに、急に3/4へ上げた → 手が強くなったサインが多い
- 強気にバレルしていたのに、リバーで急に小さくした → ブラフを諦めた・薄バリューに切り替えた「失速」
- プリフロップのレイズサイズがハンドで変わる → 強い手で大きく、弱い手で小さくする癖
とくに「リバーでの急なサイズダウン」は鉄板のテルだ。ターンまで大きく打っていた相手が、リバーで小さくしたら——強いバリューならサイズを維持するはず。小さくしたのは自信の喪失。ここは薄いコールやブラフレイズが通る。
サイズ読みを「逆用」する
相手がサイズで本音を語るなら、それを逆手に取れる。
- 相手が「大ベット=強い」と思い込んでいるなら、こちらの大ベットは降ろしのブラフとして機能する
- 相手が「小ベット=弱い」と決めつけるなら、こちらの小さいバリューベットはレイズで反撃を誘い、再レイズで刈れる
- ただしこれは相手が「サイズで決めつける」タイプだと確認できてから。サイズを混ぜる上級者には逆効果
プリフロップのサイズも漏れている
ポストフロップばかり注目されるが、プリフロップのレイズサイズも立派なテルだ。母集団は手の強さでオープン額を変える癖を抜けない。
- いつも2.2bbなのに、特定のハンドで3bbへ上げる → プレミアム(QQ+、AK)の可能性が高い
- リンプ後にレイズが入ったときの額が大きい → 強い手で「もう逃がさない」心理
- 3betのサイズが小さい(2.5倍程度) → コールを誘いたいバリュー、あるいは慣れていない弱い3bet
プリフロップのサイズ変化
普段より大きいオープン → レンジ上位に偏る。慎重に
普段より小さい3bet → コール誘導 or 経験不足。状況で読み分けプリフロップで一段強いと読めれば、フロップ以降のすべての判断が楽になる。入口のサイズを見逃すな。
サイズ・テルは情報戦だ。読み取り、利用し、同時に自分は漏らさない。三つを同時にこなせて初めて、額面のチップ以上のものをサイズから抜き取れる。そして忘れるな——サイズを混ぜられる上級者が相手なら、この章のすべては逆に罠になる。基準線を持った上で「この相手はサイズで語るタイプか」を見極めてから使え。
このレッスンの要点
- 母集団はサイズと手の強さを相関させてしまう。額からレンジを逆算できる
- 小ベット・ブロックベットはレイズで降ろせる。リバーは2.5〜3倍が効く
- 未調整プールのオーバーベットはバリュー偏重。過剰フォールドでEVが上がる
- 絶対値よりサイズの「変化」が雄弁。リバーの急な縮小はブラフ失速のサイン
- 自分はバリューとブラフで同サイズを使い、テルを漏らすな