RANGE
ターンのレンジ再構成 — カードが変えるバランス
フロップでC-betを打った時点のレンジ構成を、ターンでもそのまま引き継げると思っているなら甘い。**ターンの1枚は、君のレンジと相手のレンジの両方を別物に作り変える。**フロップで完璧だったバリュー:ブラフ比は、ターンカード次第で過剰にもブラフ過多にもなる。上級者がやっているのは、ターンごとにレンジを「再構成」する作業だ。
ここで言う再構成とは、感覚的な「強くなったから打つ」ではない。ターンカードが①どちらのレンジに刺さるか、②自分のブラフが格上げ/格下げされるか、③ベット可能なバレル枚数が何枚か——を判定し、頻度とサイズを組み直すことだ。
ターンカードの3類型
ターンの全カードは、レンジへの作用で3つに束ねられる。
ブランク 誰のレンジも変えない(A72r に 2♣)
→ フロップの優位がそのまま保存。バレル継続が基本
連結カード 相手の中域を完成させる(A72r に 6♥, J♥9♥ に 8♥)
→ ナッツ優位が削れる。サイズを下げる or チェックへ
スケアカード 君のレンジに刺さるが相手には刺さりにくい(A72r に K♠)
→ オーバーカード/フラッシュ完成。バレル増量の好機A♠7♦3♣を例に取る。ターン2♦はブランク——フロップの構図を保存し、A♠K♠は迷わず2発目を打てる。ターン6♥は連結——相手の45s/54sがストレートを完成させ、君のナッツ優位は削れる。ここで同じサイズで打ち続けるのは典型的事故だ。ターンK♠はスケア——相手のレンジに刺さりにくく、君はKxバリューと♠フラッシュドローを得る。スケアカードはバレル頻度を上げる青信号だ。
ブラフの「格上げ・格下げ」を仕分ける
ターン再構成の核心は、フロップで打ったブラフコンボを「続けるブラフ」と「やめるブラフ」に仕分けることだ。基準は裏目(エクイティ)の有無。
- 格上げされるブラフ … ターンで裏目を得たコンボ。
A♠K♠がターン♠で本物のフラッシュドローに、KQがターンJでガットショットに。これらは継続バレルの第一候補。 - 格下げされるブラフ … 裏目を失った純エア。フロップで
Q♣J♦で打ったが、ターンが無関係カードでエクイティゼロのまま——これは降りる。 - 据え置き … バリューはそのまま。ただし連結ターンで相手が追いついたなら相対価値は下落。
ターン再構成の仕分け
裏目を獲得 → ブラフ継続(フォールドエクイティ+実エクイティ)
裏目を維持 → ブラフ継続(フロップ同様の理由で)
裏目を喪失 → ブラフ放棄(チェックして降りる準備)サイズも再構成する — ターンで二極化が進む
ストリートが進むほど、レンジは二極化する。フロップで小さく広く打ったレンジも、ターンでは「本物のバリューとフォールドエクイティのあるブラフ」に絞り込まれる。だからターンのサイズはフロップより大きくなるのが自然だ。
サイズ進行の目安(A高ドライ・3betポット)
フロップ 1/3 ポット 広く高頻度(エクイティ優位)
ターン 2/3 ポット 絞って二極化(バレル続けるなら強く)
リバー ポット以上 完全二極(バリュー or 純ブラフ)ターンでサイズを上げられない(上げると自分のレンジが薄い)と感じたら、それは再構成が済んでいないサイン。レンジを絞り込めば、自然と大きく打てるようになる。
このレッスンの要点
- フロップのレンジは仮配置。ターン1枚で君と相手の両レンジが組み替わる
- ターンはブランク(保存)・連結(削れる)・スケア(増量)の3類型で判定する
- ブラフは裏目の有無で「継続/放棄」に仕分ける。裏目を失った純エアは降りる
- ストリートが進むほどレンジは二極化。ターンはフロップより大きいサイズが自然