レッスン 19 / 100 Phase 2:基本戦略編

タイトとルース

「タイト」と「ルース」はポーカーの最重要軸のひとつ。参加するハンドの広さで、ゲームの難易度がガラッと変わります。

「タイト・ルース」軸の定義

プレイスタイルの 2 軸目は「参加するハンドの広さ」です。

  • タイト(Tight):プレミアム中心、参加ハンドが少ない
  • ルース(Loose):弱めのハンドでも積極参加、参加ハンドが多い

これに前回のアグレッシブ/パッシブ軸を組み合わせて、4 つのプレイスタイルが定義されます(次のレッスン)。

VPIP で測る「タイト・ルース」

オンラインで一般的に使われる指標は VPIP(Voluntarily Put In Pot) :自発的にポットにチップを入れた率。

VPIPスタイル評価
〜 15 %超タイト(ロック)プレミアムだけ参加、読まれやすい
16〜22 %タイトバランス良好、TAG の基本
23〜30 %ややルースLAG 寄り、戦闘的
31〜40 %ルース中級者の上限。腕がないと負ける
41 % 以上超ルース(マニアック)ほぼ何でも参加、典型的な負けスタイル

プロの最適 VPIP は「ポジションを考慮した平均」で、6max なら 22〜26 %、9max なら 18〜22 % あたり。

タイトプレイヤーの長所と短所

長所

  • 参加ハンドが強いので、ショーダウンで勝ちやすい
  • 損失が小さい(参加自体が少ない)
  • 初心者でもメンタル管理しやすい

短所

  • 「ブラインドが減っていくだけ」になる(待ちすぎ問題)
  • 強いハンドだけ参加することがバレて、相手が降りる(ペイされない)
  • ロック(ガチガチ)と見られると、相手のブラフをコールできない

「強いハンドだけプレイ」は健全に見えますが、実は中長期的にプラスになりにくい ことが多いです。
ブラインドアップで強制的に損失が膨らみ、強いハンドが来ない期間(=ドライ期間)に耐えられず崩れます。

ルースプレイヤーの長所と短所

長所

  • ハンドが多いので、ポストフロップの判断練習が積める
  • 弱いハンドでも勝率がある(スーテッドコネクター等は隠れた価値)
  • 相手に読まれにくい
  • 退屈しない

短所

  • ポストフロップで難しい意思決定が増える(=実力差がモロに出る)
  • 弱いハンドで負けが込みやすい
  • 「マニアック」になると典型的な負けスタイル

「ルースで勝てる人」は、ポストフロップが上手い という条件付きです。
初心者がルースだと、ただチップを失う速度が早いだけになります。

ポジション別のタイト・ルース

「テーブル全体としてタイト or ルース」と「ポジション別の調整」は別物です。

ポジタイト基準標準ルース基準
UTG〜10 %12〜15 %16〜20 %
MP〜12 %14〜18 %20〜25 %
CO〜18 %22〜28 %30〜35 %
BTN〜30 %40〜48 %50〜60 %
SB〜15 %18〜25 %30〜40 %
BBコール 20 %コール 30〜40 %コール 50 %+

UTG をタイトに、BTN をルースに、というように ポジションごとに伸縮させる のが正解です。

「タイト・パッシブ」の罠

最も陥りやすい初心者失敗パターンが 「タイト・パッシブ」

  • 強いハンドが来るまで待つ → タイト
  • 来たらコール/チェックで進める → パッシブ
  • 結果:ブラインドだけ減って、強いハンドでも大きく取れない

これを脱するには:

  1. 参加するなら必ずレイズ(リンプ禁止)
  2. 強いハンドで「相手にコールさせる」サイズでベット
  3. ブラフを最低限混ぜる(ブラフ:バリュー = 1 : 3 程度)

相手のタイト・ルースを見抜く

実戦で重要なのは、相手のスタイルを見抜くこと

タイトプレイヤー対策

  • レイズしてきたら、本気で強い → 弱いハンドでフォールド
  • 自分のポジションでブラフを多めに → ブラインドを盗む
  • 相手のフォールド頻度が高いので、薄いブラフが通る

ルースプレイヤー対策

  • レイズしてきても、必ずしも強くない → ある程度コール
  • ブラフ機会を減らす(コールされる)
  • バリューベットを厚くする(薄い手でも価値を取る)

最初の 10〜20 ハンドで相手のスタイルを観察するのが、上級者の基本動作です。

VPIP / PFR の見方

VPIP と PFR の組み合わせから、相手のスタイルがわかります:

VPIP / PFRスタイル
20 / 18TAG(理想的)
30 / 28LAG
35 / 5コーリングステーション
50 / 40マニアック
12 / 10ロック(超タイト)

VPIP と PFR の差(=コール参加率)が大きいほどパッシブ。
差が小さいほどアグレッシブ。

自己診断:自分はどのスタイル?

  • 「強いハンドが来るまで待つ」 → タイト寄り
  • 「参加したくなる気持ちが強い」 → ルース寄り
  • 「ベットするのが好き」 → アグレッシブ
  • 「コール多め」 → パッシブ

理想は タイト寄り+アグレッシブ= TAG から始めて、徐々にレンジを広げて LAG に近づけることです。

用語まとめ

  • タイト(Tight):参加ハンドが少ない
  • ルース(Loose):参加ハンドが多い
  • VPIP:自発的にポットに入れた率
  • TAG:タイト・アグレッシブ
  • LAG:ルース・アグレッシブ
  • ロック:超タイトの俗称
  • マニアック:超ルース+ノンストップ攻撃の俗称

このレッスンの要点

  • VPIP 16〜22 % が「タイト」、23〜30 % が「ややルース」、31 % 以上は要注意
  • タイトすぎると待ちすぎで負ける、ルースすぎると意思決定が破綻
  • ポジションごとに「タイト/ルース」を伸縮させる
  • 相手のスタイルを 10〜20 ハンドで見抜くのが上級者の習慣

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