レッスン 23 / 100 Phase 2:基本戦略編

オープンサイズ

オープンレイズは「何 BB レイズするか」で意味も期待値も変わります。ポジション・スタック・ゲーム種別に応じた最適サイズを理解しましょう。

なぜサイズが重要なのか

オープンレイズのサイズは、以下を一気に決定します:

  • フォールドエクイティ(相手の降ろしやすさ)
  • ポットの大きさ(=ポストフロップの SPR)
  • 自分のレンジに対する後ろのリアクション

サイズひとつで「勝てるハンド」と「負けるハンド」が変わります。

標準サイズの目安

キャッシュゲーム(100 BB スタート)

ポジ標準サイズ
UTG2.5〜3 BB
MP2.5〜3 BB
CO2.3〜2.7 BB
BTN2.2〜2.5 BB
SB3〜3.5 BB(または 0= 3-bet 構築)

レイトポジションほど小さめ。理由:BTN は「スティール」が目的なので、相手にフォールドさせやすい小さめサイズが効率的だから。

MTT(マルチテーブル・トーナメント)

状況サイズ
アンティなし序盤2.5〜3 BB
アンティあり中盤2〜2.3 BB
ショート(〜 25 BB)2〜2.2 BB
超ショート(〜 12 BB)オールイン or フォールド

ブラインドアップで実質スタックが浅くなるため、サイズも徐々に小さく。

ディープ(200 BB+)キャッシュ

ポジ標準サイズ
全ポジ3〜4 BB

スタックが深い分、ポストフロップでの暴れ幅が大きい。ポットを大きくしすぎるとリスクも増えるため、サイズはやや大きめ。

「小さく開ける」現代戦略

近年は「ミニマムレイズ(2〜2.3 BB)」が広く採用されています。

メリット

  • 相手がフォールドしてもリスクが小さい
  • 3 ベットされても傷が浅い(コール vs フォールドの判断が楽)
  • 1 周あたりのプレイ可能ハンドが増える

デメリット

  • 弱いハンドが多く参加してくる(=マルチウェイ化)
  • ポストフロップでの優位を取りづらい

オンライン高レートでは 2〜2.3 BB が定着していますが、ライブの低レートでは依然 3 BB 以上が主流です。

サイズの「ノット」効果

特定のサイズが「自然な気がする」と感じさせる効果を「ノット効果」と呼びます。

  • 3 BB:オンラインの定番、無難
  • 2.5 BB:やや軽め、スティール意図が伝わる
  • 2 BB(ミン):圧倒的なミニマムレイズ、安いブラフが多い印象
  • 4 BB+:ブラインドが深い、または弱さの裏返し

このノット感を逆手に取って、「強い手を 2.5 BB(弱そう)でオープン」「弱い手を 3 BB(普通)でオープン」する戦略もあります(ただし高度)。

オープンサイズと SPR

SPR(Stack to Pot Ratio)= ポストフロップに残る「スタック / ポット」の比率。

オープンサイズコール後の SPR(100 BB スタート)
2 BB約 24
2.5 BB約 19
3 BB約 16
4 BB約 12

SPR が大きいほど、ポストフロップの選択肢が広く、実力差が出やすい。SPR が小さいと、ジャム or フォールドに収束しやすい。

詳細はレッスン 81「SPR とコミットメント」で扱います。

ポジション別の「サイズで伝わる情報」

実戦では、サイズ自体が情報になります:

状況サイズ受け取られ方
UTG オープン 4 BB大きめ「プレミアム or 警戒している」
UTG オープン 2 BB小さめ「広いレンジでミンレイズ、スティール意図」
BTN オープン 2 BB標準「広いレンジでスティール」
BTN オープン 3 BBやや大きめ「強めの手 or バランス調整」

サイズを 常に同じ にする(バランスの取れた戦略)か、意図的に変える(エクスプロイト)かで、上級者の戦略は分かれます。

アンティ付きでのサイズ調整

MTT 中盤以降の「BB アンティ付き」では、ポットが最初から大きいため、小さいサイズでも十分な圧力になります。

例:BB 400 + アンティ 50(BB アンティで実質追加 400)= プリフロップポット 1000
このテーブルで 2 BB(800)レイズすれば、「ポット 1000 に対して 800 のベット」= フォールドエクイティ大。

つまり アンティ付きはオープンサイズを縮める のが正解です。

サイジングのチェックポイント

「今このサイズが正解か?」を判断する 4 つの問い:

  1. ポジションは IP か OOP か?
  2. スタックは深いか浅いか?
  3. アンティはあるか?
  4. テーブルはタイトかルースか?

これらを毎ハンド意識すると、自然と「ハンドではなく状況に応じてサイズが決まる」感覚が身につきます。

サイズの間違い:典型パターン

① 全ポジ同じサイズ(特に 3 BB 固定)

  • UTG では小さすぎ、BTN では大きすぎ
  • ポジションに応じた伸縮が必要

② アンティ無視で大きく開ける

  • 5 BB オープンなどは、アンティ環境では過剰
  • 2 BB で十分な圧力

③ ハンドの強さでサイズを変える

  • 「強い手は大きく、弱い手は小さく」は読まれる
  • バランスを取るなら、レンジでサイズ統一

まとめ:最初の 1 ヶ月のサイズ運用

シンプルに以下のルールから始めてください:

ポジキャッシュアンティなしMTTアンティありMTT
UTG-CO2.5 BB2.5 BB2.2 BB
BTN2.5 BB2.5 BB2.2 BB
SB3 BB3 BB2.5 BB

このシンプルな表を守るだけで、サイズ起因の損失はほぼなくなります。

このレッスンの要点

  • 標準オープンサイズは 2.2〜3 BB、レイトポジほど小さめ
  • アンティ付きはサイズを縮める
  • SPR を意識すると、ポストフロップ戦略が一貫する
  • サイズを「ハンドの強さ」で変えるのは読まれる

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