レッスン 64 / 100 Phase 4:ポストフロップ編

ブロッカー

「自分が特定カードを持つ」ことで、相手のレンジを物理的に減らす効果が「ブロッカー」。上級者の意思決定の根幹です。

ブロッカーとは

自分が持つことで、相手のレンジから特定の組み合わせを物理的にカット」する効果。

例:A ブロッカー

  • 自分が A♠ を 1 枚持つ
  • 相手の AA 組み合わせ:通常 6 通り → 3 通り(半減)
  • 相手の AK 組み合わせ:通常 16 通り → 12 通り(25 % 減)

このように、自分のカードが相手の「強いレンジ」を物理的に減らす効果を、戦略に組み込みます。

なぜ重要か

① ブラフの成功率向上

  • 相手の強いハンドを減らす = フォールド頻度上昇
  • ブラフが通りやすい

② バリュー時の損失予測

  • 相手のナッツ可能性を計算できる
  • 「自分が A を持っているからナッツ A は出にくい」

③ レンジ分析の根幹

  • ポーカーソルバーは全てブロッカーを考慮
  • 上級者の意思決定の根幹

代表的なブロッカー効果

ブロッカーの代表例: A A を持つことで、相手の「ナッツフラッシュ」を阻止

① A ブロッカー

  • 相手のオーバーペア(AA)削減
  • 相手の AK 削減
  • ナッツストレート(A 含む)削減

② K ブロッカー

  • 相手の KK 削減
  • 相手の AK 削減

③ ナッツフラッシュブロッカー

  • 自分が A♠ を持ち、ボードに ♠ 2 枚
  • 相手のナッツフラッシュ完成可能性ゼロ

④ ストレートブロッカー

  • 自分が 7 を持ち、ボード 6-5-4
  • 相手のストレート(A2345 or 34567)の組み合わせ減

ブロッカーの数値化

AA の場合

  • 通常組み合わせ:4 × 3 / 2 = 6 通り
  • A 1 枚カット:3 × 2 / 2 = 3 通り
  • A 2 枚カット:0 通り

AK の場合

  • 通常:4 × 4 = 16 通り
  • A 1 枚カット:3 × 4 = 12 通り
  • A 1 枚 + K 1 枚カット:3 × 3 = 9 通り

フラッシュ(同スート)の場合

  • ボード 2 枚同スート(=8 通りで完成)
  • 自分が 1 枚同スート保有 → 約 半減

ブロッカーが効くシチュエーション

① 3 ベットブラフ(A2s-A5s)

  • A ブロッカー
  • 相手の AA, AK レンジを 30 % 減少
  • フォールドエクイティ大

② リバーブラフ(ナッツブロッカー)

  • 相手のナッツ可能性を物理カット
  • 「相手はナッツしかコールできない」状況でブラフ成功

③ チェックレイズブラフ

  • A or K のブロッカー
  • 相手の C-ベットレンジに強い手少ない前提

アンブロッカー(次レッスンで詳述)

ブロッカーの反対:「自分が持っていないことで、相手のレンジに残っている」概念。

ブロッカーと組み合わせて使うのが上級者。

「カードリムーバル効果」

ブロッカーの正式名称は「カードリムーバル効果」。

計算例

  • ボード:K♠ Q♦ J♥ 7♠ 5♠
  • 自分:A♥ 2♣
  • 相手のレンジ:プリフロップオープンの一般範囲

A ブロッカー効果

  • 相手の AA 通常 6 通り → 3 通り
  • 相手の AK 通常 12 通り → 9 通り
  • 相手の AQ 通常 12 通り → 9 通り
  • 相手の AJ, AT 同様

→ 相手の 強い A レンジが約 25 % 減少

A♥ 特殊ブロッカー

  • 相手のハート系ハンド(=フラッシュ可能性なし、ボード ♥ 1 枚のみ)には影響薄

ブロッカーを意識する場面

1. プリフロップ

  • 3 ベットブラフ → A スーテッド系
  • 4 ベットブラフ → A スーテッド系

2. ポストフロップ

  • リバーブラフ → ナッツブロッカー
  • チェックレイズ → A or K ブロッカー

3. ハンドリーディング

  • 相手のレンジ推定 → ブロッカー込みで計算

例:A ブロッカー使用シーン

シナリオ

  • 自分 BTN で A♣ 5♣(ライト 3 ベット)
  • CO オープン → 自分 3 ベット
  • CO コール
  • フロップ:K♠ 9♦ 3♣
  • 自分:C-ベット 1/3 → CO コール
  • ターン:2♥
  • 自分:ダブルバレル → CO コール
  • リバー:8♠

自分の選択

  • A 持ち → 相手の AA, AK, AQ レンジ削減
  • 相手のレンジ:KK, KQ, KJ, K7s 程度
  • ブラフ・トリプル:ポット → 相手フォールド率 50 %+

→ A ブロッカーで「相手がコールできるハンド少ない」状況。

ブロッカーの「ない手」のブラフ

ブロッカーを持たない手(=普通の連結ハンド)でブラフすると:

  • 相手のレンジに強い手が残っている
  • フォールド率が低い

→ 「ブロッカーなきブラフは効率悪い」。

注意:ブロッカーは「完璧」ではない

過信しない

  • A ブロッカーで AA を半減できても、KK, QQ, JJ には影響なし
  • 相手の全レンジを考慮

状況依存

  • ボード次第でブロッカーの価値が変わる
  • この状況で何がブロックされるか」を毎回考える

練習:ブロッカー判定

各シチュエーション、ブロッカーは効く?

  1. リバーブラフ:自分 A♠ 2♣、ボード K♠ Q♠ 7♠ 4♥ 3♦
  2. リバーブラフ:自分 8♥ 7♥、ボード Q♣ J♣ 9♣ 5♠ 2♦
  3. リバーブラフ:自分 K♣ 6♣、ボード A♥ T♥ 9♥ 7♠ 4♦
答え合わせ
  1. 超強ブロッカー:ナッツフラッシュブロッカー(A♠)、相手のナッツフラッシュ完成不可
  2. 微弱ブロッカー:8 がストレート(T-9-8-7-6 or 9-8-7-6-5)を作るが、ストレートの可能性は薄め
  3. K ブロッカー有効:相手の KK, KQ レンジ削減、ハイハートでフラッシュ完成可能なボードに対しても効果あり

用語まとめ

  • ブロッカー:自分が持つことで相手のレンジを減らすカード
  • アンブロッカー:相手のレンジに残っているカード(次レッスン)
  • カードリムーバル効果:ブロッカーの正式名称
  • ナッツブロッカー:相手のナッツ完成を物理的に防ぐカード

このレッスンの要点

  • ブロッカー = 自分のカードで相手のレンジを物理的に減らす
  • A ブロッカーが最強、相手の AA, AK を 30 % 減少
  • ライト 3 ベット、ブラフ、リバーブラフで活用
  • 過信せず、相手の全レンジを考慮する

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