レッスン 96 / 100 Phase 6:中級者への入口

記録とレビューの仕方

プレイの記録と振り返り(ハンドレビュー)が、100レッスン後の上達曲線を決めます。具体的なテンプレートと手順を渡します。

なぜ記録 + レビューが必要か

プレイする → 振り返らない」 では、同じミスを繰り返します。

ポーカーは 再現性のあるパターン認識ゲーム。記録と振り返りで:

  • 自分の判断の傾向を可視化
  • ミスのパターンを抽出
  • 改善点を体系化

これが「100 レッスン後の実力差」を生みます。

記録すべき 3 つの要素

① セッション全体記録

  • 日付、レート、時間
  • バイイン、結果
  • メンタル状態

② 印象的ハンドの記録

  • 大きく勝ったハンド
  • 大きく負けたハンド
  • 判断に迷ったハンド

③ 自分の感情・傾向の記録

  • ティルト発生
  • 疲れの影響
  • 集中力の波

記録ツール

オンライン

  • PokerTracker 4:定番、有料
  • Hand2Note:高機能、有料
  • Holdem Manager 3:定番、有料
  • PokerCraft(GGPoker):内蔵、無料

ライブ

  • スマホメモアプリ:Apple Notes、Google Keep
  • Notion:体系的記録
  • ハンドメモ専用アプリ:Poker Notes Live、PokerNotes など

自作スプレッドシート

  • Google スプレッドシート
  • 自分用にカスタマイズ
  • 0 円で始められる

ハンドレビューテンプレート

各ハンドを以下のテンプレートで記録:

[日付] 2026/05/23
[レート] 100/200 NL
[ポジション] BTN
[スタック] 100 BB(=自分) / 80 BB(=相手)
[ハンド] A♠ K♠

[プリフロップ]
- UTG fold, MP fold, CO fold
- BTN: open 2.5 BB(=自分)
- SB fold, BB: call

[フロップ] K♣ 7♦ 3♣
- BB: check
- BTN: bet 1/3 pot(=3 BB)
- BB: call

[ターン] K♣ 7♦ 3♣ + 2♥
- BB: check
- BTN: bet 2/3 pot(=7 BB)
- BB: call

[リバー] K♣ 7♦ 3♣ + 2♥ + 9♠
- BB: check
- BTN: bet pot(=20 BB)
- BB: fold

[結果] +6 BB(=プリポット獲得)

[自己評価]
- ハンドリーディング:◎
- サイジング:○(リバーやや大きすぎたかも)
- 結果:成功

[改善点]
- リバーサイズを 2/3 ポットでも十分降ろせたか検証
- BB のチェックレイズなしを「弱い」と読んだのは正しい

このテンプレートを毎ハンド書くのは無理なので、1 セッション 3 〜 5 ハンド だけ記録。

レビューの「3 ステップ

ステップ 1:自分の判断を言語化

  • なぜそうしたか」を文字で書く
  • 思考プロセスを可視化

ステップ 2:代替アクションを検討

  • 他のアクションだったら?
  • フォールド / レイズ / ベットサイズ違いを想像

ステップ 3:ソルバー or 専門家と照らし合わせ

  • ソルバー解と自分の判断を比較
  • 違いの理由を理解

レビューの「頻度

毎日(=理想)

  • 1 セッション後すぐ
  • 印象的 3 ハンド

週次

  • 週末に 30 分
  • セッション全体の傾向確認

月次

  • 1 ヶ月の収支・統計
  • 戦略の調整

ミスのパターン化

レビューで分かるミスのパターン:

パターン ①:プリフロップ・コール過剰

  • BB ディフェンスで弱いハンドコール
  • 降りる勇気」不足

パターン ②:C-ベット連発

  • ノーペアでも 3 ストリート打ち続け
  • 諦め時」不明

パターン ③:リバーで弱気フォールド

  • 強い手でフォールドし過ぎ
  • ブラフキャッチ」恐れ

パターン ④:チップ追跡なし

  • 相手のスタックを意識せず、ジャム誘発
  • SPR 計算」不足

改善計画の立て方

ミスのパターンが見えたら:

月次目標を 1 つだけ

  • 「今月は リバーフォールド過多 を改善」
  • 「来月は C-ベット率の最適化

具体的アクション

  • 毎ハンド アルファ計算
  • ボードカテゴリで C-ベット率即答

進捗確認

  • 月末に評価
  • 改善が見られなければ継続、見られれば次の目標

自分専用ノート

長期的に蓄積する自分専用ノート:

内容

  • 過去のミス + 改善策
  • 印象的ハンド集
  • プレイヤー別メモ(=「この人はリバーで降りる」など)

形式

  • Obsidian
  • Notion
  • Google Docs
  • アナログノート(=書く方が記憶に残る)

プレイヤー別ノート

ライブで対戦するプレイヤーごと:

例:田中さん(=サークル仲間)

  • VPIP 35 / PFR 8(=コーリングステーション)
  • リバーで降りない
  • AA / KK 隠して打つ
  • → バリュー特化、ブラフゼロ

このノートを 数十人 分蓄積すると、テーブル毎に最適戦略が選べます。

レビューの「質問テクニック

各ハンドで自問:

自分への 5 つの質問

  1. なぜこのアクションを選んだ?
  2. 相手のレンジは何 %?
  3. 自分のハンドはそのレンジに対してどの位置?
  4. 他の選択肢は何があった?
  5. 次に同じ状況になったらどうする?

ピアレビュー

他人とレビューし合う:

メリット

  • 自分では気づかない視点
  • 他人の戦略を吸収
  • モチベーション維持

方法

  • ポーカー仲間と Discord
  • ハンドレビュー会
  • コーチング

上達速度の「現実値

しっかりレビューする人としない人:

レビューする人

  • 半年で勝率 +3 BB / 100
  • 1 年で勝率 +6 BB / 100

レビューしない人

  • 1 年で勝率 +1 BB / 100
  • 同じミス繰り返し

→ レビューが上達速度を 3 〜 6 倍 にする。

レビュー時間の目安

上達速度目標1 週間のレビュー時間
ゆっくり30 分
標準1 時間
速い2 〜 3 時間
プロ志向5 時間 +

プレイ時間 : レビュー時間 = 4 : 1」が中級者の目安。

録画レビュー」(=オンライン)

オンラインプレイなら、画面録画で全ハンド確認可能:

録画ツール

  • OBS Studio(無料)
  • QuickTime(Mac 標準)
  • Bandicam(Windows)

レビュー方法

  • 重要ハンドを倍速で見直す
  • 一時停止して判断検討
  • ソルバーで答え合わせ

結果論」の排除

レビューでよくある罠:

結果論の例

  • 「コールしたら勝った → コール正解」
  • 「フォールドしたら勝てなかった → フォールド失敗」

正しいレビュー

  • 「コール時の EV +1 BB」だったか
  • 「フォールド時の EV +0.5 BB」だったか
  • EV ベースで判断

結果ではなく 意思決定の質 を評価。

練習:レビュー実践

直近のセッション

  1. 印象的 3 ハンドをピックアップ
  2. テンプレートに沿って記録
  3. 自己評価
  4. 改善点 1 つだけ書く

これを 1 週間継続。

用語まとめ

  • ハンドレビュー:自分のプレイを振り返る
  • ピアレビュー:他人と互いにレビュー
  • EV ベース判断:結果ではなく期待値で評価
  • プレイヤー別ノート:相手の特徴メモ

このレッスンの要点

  • 記録 + レビューが上達速度を 3〜6 倍にする
  • 1 セッション 3〜5 ハンドだけ記録で OK
  • プレイ時間 : レビュー時間 = 4 : 1 が目安
  • 結果論ではなく EV ベースで判断評価

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