なぜ役の順位が変わるのか
ポーカーの役の強さは「出現しにくいほど強い」という原則で決まります。通常ホールデムでは52枚のデッキを使うため、フルハウスよりフラッシュの方が出にくく、フルハウス>フラッシュという順位になっています(詳細は通常の役一覧を参照)。
ところがショートデッキでは2〜5が除かれた36枚になることで、この出現率の関係が変わります。スートが4つのままでランクが9種類に減るため、同一スートのカードが揃いやすい反面、ランクの連続が限られてフルハウスは相対的に出やすくなるわけです。
結果として、多くのショートデッキルールでは次の2点が逆転します。
- フラッシュ > フルハウス
- トリップス(スリーカード)> ストレート
ショートデッキの役順一覧
| 順位 | 役名 | 通常との比較 |
|---|---|---|
| 1 | ロイヤルフラッシュ | 変わらず最強 |
| 2 | ストレートフラッシュ | 変わらず |
| 3 | フォーカード(クアッズ) | 変わらず |
| 4 | フラッシュ | ↑ フルハウスより上に浮上 |
| 5 | フルハウス | ↓ フラッシュに抜かれる |
| 6 | トリップス(スリーカード) | ↑ ストレートより上に浮上 |
| 7 | ストレート | ↓ トリップスに抜かれる |
| 8 | ツーペア | 変わらず |
| 9 | ワンペア | 変わらず |
| 10 | ハイカード | 変わらず(最弱) |
太字の4〜7位の順序が通常ホールデムと逆転しています。それ以外の役の相対的な強さは変わりません。
各役の詳細と注意点
フラッシュ(4位)
36枚デッキでは各スートが9枚しかないため、フラッシュが成立する組み合わせは絶対数としては減ります。しかし全体の組み合わせ数がさらに大きく減るため、確率としてはフルハウスより低くなります。
フラッシュ同士の勝敗は通常と同じく、最高位のカードから順に比較します。
| 比較 | 例 |
|---|---|
| A高フラッシュ vs K高フラッシュ | A高が勝ち |
| A♠J♠9♠8♠6♠ vs A♠J♠9♠8♠7♠ | 5枚目の7 vs 6 → 7が勝ち |
フルハウス(5位)
通常では4位でしたが、ショートデッキでは5位に下がります。36枚デッキではペアとトリップスが絡みやすくなるため、フルハウス自体は通常より出やすいのです。
強さの比較はトリップス部分の数字が大きい方が勝ちです(AAA-66 > KKK-AA)。
トリップス(6位)
36枚デッキではストレートが完成しやすい一方、同じ数字3枚が揃うトリップスの相対的な出現率はストレートを上回ります。そのため、多くのルールでトリップス>ストレートとなります。
ストレート(7位)
2〜5が存在しないため、ストレートの構成は以下の9種類(最高位基準)になります。
| ストレートの種類 | 構成 |
|---|---|
| Aハイ(最強) | A-K-Q-J-10 |
| Kハイ | K-Q-J-10-9 |
| Qハイ | Q-J-10-9-8 |
| Jハイ | J-10-9-8-7 |
| 10ハイ | 10-9-8-7-6 |
| 9ハイ | 9-8-7-6-A(ホイール相当) |
A-6-7-8-9 がストレートとして成立します(Aが最弱値として使われる「ホイール」相当)。通常ホールデムの A-2-3-4-5 に対応する最弱ストレートです。
役の出現率の変化(概算)
36枚デッキでの役の出現率は通常52枚と大きく異なります(あくまで目安)。
| 役 | 通常52枚(約) | 36枚(約) |
|---|---|---|
| フォーカード | 0.024% | 0.09% |
| フルハウス | 0.144% | 0.8% |
| フラッシュ | 0.197% | 0.5% |
| ストレート | 0.392% | 1.2% |
| トリップス | 2.11% | 1.0% |
フルハウスが約0.8%、フラッシュが約0.5%となり、フラッシュの方が出にくいことが確認できます。同様にトリップス約1.0%<ストレート約1.2%ではなく、36枚ではトリップスの方がストレートより出にくくなります。
まとめ
- ショートデッキではフラッシュ > フルハウス、トリップス > ストレートが基本
- この変化は「出にくい役が強い」原則を36枚デッキに適用した結果
- A-6-7-8-9 が最弱のストレート(ホイール相当)として成立する
- ハウスルールによって役順が異なる場合があるため、着席前の確認が必須
- 通常ホールデムの感覚でフルハウスを過信したり、ストレートでトリップスに勝てると思うと大きな損失を招く