BTNのオープンレンジ
テーブルで最強のポジション、ボタン。レンジは約45〜50%、つまり配られたハンドの半分以上で参加します。「スティールマシーン」になりましょう。
BTN オープンレンジ:約 45〜50 %
最強ポジションでは、配られた 約半分のハンド でオープン参加。
「強いハンドを待つ」のではなく、「何を降ろすか」を考えるレンジになります。
推奨レンジ(標準・100BB キャッシュ/MTT)
ペア
- 22 - AA(全ペア)
A スーテッド
- A2s - AKs(全種類)
K スーテッド
- K2s - KQs(全種類)
Q スーテッド
- Q2s - QJs(全種類)
J スーテッド
- J5s - JTs
T スーテッド
- T6s - T9s
スモール・スーテッド
- 96s, 97s, 98s, 86s, 87s, 76s, 65s, 64s, 54s, 53s, 43s, 32s
オフスーテッド大幅拡張
- A2o - AKo(全 A オフスーテッド)
- K7o - KQo
- Q9o, QTo, QJo
- J9o, JTo
- T9o
レンジ表ビジュアル
| A | K | Q | J | T | 9 | 8 | 7 | 6 | 5 | 4 | 3 | 2 | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| A | 🟥AA | 🟥AKs | 🟥AQs | 🟥AJs | 🟥ATs | 🟥A9s | 🟥A8s | 🟥A7s | 🟥A6s | 🟥A5s | 🟥A4s | 🟥A3s | 🟥A2s |
| K | 🟥AKo | 🟥KK | 🟥KQs | 🟥KJs | 🟥KTs | 🟥K9s | 🟥K8s | 🟥K7s | 🟥K6s | 🟥K5s | 🟥K4s | 🟥K3s | 🟥K2s |
| Q | 🟥AQo | 🟥KQo | 🟥QJs | 🟥QTs | 🟥Q9s | 🟥Q8s | 🟥Q7s | 🟥Q6s | 🟥Q5s | 🟥Q4s | 🟥Q3s | 🟥Q2s | |
| J | 🟥AJo | 🟥KJo | 🟥QJo | 🟥JJ | 🟥JTs | 🟥J9s | 🟥J8s | 🟥J7s | 🟥J6s | 🟥J5s | ⬜ | ⬜ | ⬜ |
| T | 🟥ATo | 🟥KTo | 🟥QTo | 🟥JTo | 🟥TT | 🟥T9s | 🟥T8s | 🟥T7s | 🟥T6s | ⬜ | ⬜ | ⬜ | ⬜ |
| 9 | 🟥A9o | 🟥K9o | 🟥Q9o | 🟥J9o | 🟥T9o | 🟥99 | 🟥98s | 🟥97s | 🟥96s | ⬜ | ⬜ | ⬜ | ⬜ |
| 8 | 🟥A8o | 🟥K8o | ⬜ | ⬜ | ⬜ | ⬜ | 🟥88 | 🟥87s | 🟥86s | ⬜ | ⬜ | ⬜ | ⬜ |
| 7 | 🟥A7o | 🟥K7o | ⬜ | ⬜ | ⬜ | ⬜ | ⬜ | 🟥77 | 🟥76s | ⬜ | ⬜ | ⬜ | ⬜ |
| 6 | 🟥A6o | ⬜ | ⬜ | ⬜ | ⬜ | ⬜ | ⬜ | ⬜ | 🟥66 | 🟥65s | 🟥64s | ⬜ | ⬜ |
| 5 | 🟥A5o | ⬜ | ⬜ | ⬜ | ⬜ | ⬜ | ⬜ | ⬜ | ⬜ | 🟥55 | 🟥54s | 🟥53s | ⬜ |
| 4 | 🟥A4o | ⬜ | ⬜ | ⬜ | ⬜ | ⬜ | ⬜ | ⬜ | ⬜ | ⬜ | 🟥44 | 🟥43s | ⬜ |
| 3 | 🟥A3o | ⬜ | ⬜ | ⬜ | ⬜ | ⬜ | ⬜ | ⬜ | ⬜ | ⬜ | ⬜ | 🟥33 | 🟥32s |
| 2 | 🟥A2o | ⬜ | ⬜ | ⬜ | ⬜ | ⬜ | ⬜ | ⬜ | ⬜ | ⬜ | ⬜ | ⬜ | 🟥22 |
BTN の戦略哲学
「テーブルの王」
- ポストフロップで常に最後にアクション
- 情報優位を毎ハンド利用
- 1 周(6 ハンド)で 1.5 BB のチップを稼ぐのが目安
「2 人を相手にする」前提
- 後ろに SB・BB の 2 人だけ
- マルチウェイのリスクは最小
- スティール成功率:約 65〜70 %(=SB と BB がどちらも降りる確率)
追加ハンドの理由
A 全オフスーテッド
- A2o - A9o まで全て参加
- A ヒットで TPTK ライク + A ブロッカー
- ヘッズアップでもマルチウェイでも価値あり
Q 全スーテッド
- Q2s - Q4s も追加(Q スーテッド完全網羅)
- フラッシュ可能性 + Q ペア化
J5s, T6s
- 低位スーテッドも追加
- 「ナッツポテンシャル + スティール意図」
スモール・オフスーテッド
- K7o, K8o(K ペア化、ブロッカー効果)
- Q9o, T9o, J9o(ブロードウェイ周辺の補完)
スティールの数学
BTN オープンが理論的に成立する根拠:
仮定
- 自分のオープンサイズ:2.5 BB
- SB と BB が両方フォールドする確率:65 %
- 既にポットにある:1.5 BB(SB + BB)
期待値計算
-
スティール成功時の利益:1.5 BB(×65 %)= +0.975 BB
-
スティール失敗時:レンジ依存、ポストフロップで競争
-
「スティール成功だけで +0.975 BB」が、何でもいいから参加できる根拠
つまり「BTN は弱いハンドでも、スティール成功率の高さでプラス」になります。
「降ろせない相手」への対策
BB が「タイトすぎてオープン以上必ずコール」する場合:
対策① レンジを狭める(タイト調整)
- BB がディフェンスを広げてくる → スティール成功率低下
- 35 〜 40 % まで絞る
対策② サイズを大きくする
- 2.5 BB → 3 BB に上げて、BB のコール率を下げる
対策③ ポストフロップ重視
- 弱いハンドはフォールド頻度の高いボードでのみ C ベット
- ボードリーディングが必要(Phase 4 で扱う)
ノットルーズ:BTN レンジが「広い理由」
「BTN 50 % は広すぎでは?」と感じるかもしれません。
プロの研究によると、BTN 50 % オープンが理論的に最適と分かっています。
根拠
- ポストフロップ IP 優位 + スティール成功率の合計で、弱いハンドでもプラス
- BTN レンジを 30 % まで絞ると「機会損失」で大幅マイナス
- 50 % を超えると、SB/BB の 3 ベットレンジに食われ始める
「広すぎる」と感じるのは、Phase 1〜2 の感覚が抜けていないだけです。
BTN で 3 ベットされた場合
SB や BB から 3 ベットが飛んでくる頻度:
| 対戦相手 | 3 ベット頻度 |
|---|---|
| SB(タイト) | 10〜13 % |
| SB(ルース) | 18〜25 % |
| BB(タイト) | 6〜9 % |
| BB(ルース) | 14〜20 % |
これらは比較的高頻度なので、BTN オープンは「3 ベットされる前提で堅実なハンドが多めに必要」。
BTN 4 ベットレンジ
- AA, KK, QQ(コミット)
- AKs, AKo(コミット)
- ライト 4 ベット:A5s, A4s(ブロッカー目的)
ハンドの「下限」を見極める
BTN レンジ最下限は 32s や A2o のような「スティール専用」ハンド:
- フロップで何も当たらないことが多い
- C ベット 1 回で諦めて降りる
- 「スティール成功 = ポット獲得」が主目的
これらは「手の強さで勝つ」のではなく、「ポジションと頻度で勝つ」ハンドです。
練習:BTN でのアクション判断
BTN で配られたハンド。レイズかフォールドか?
- 3♠ 2♠
- K♣ 6♦
- T♥ 6♥
- A♦ 4♠
- 7♣ 4♦
答え合わせ
- レイズ(32s、スーテッドコネクター最下限、BTN レンジに含まれる)
- フォールド(K6o は BTN レンジ外、K7o から含まれる)
- レイズ(T6s、T スーテッドの下限)
- レイズ(A4o、全 A オフスーテッド GO)
- フォールド(74o、コネクトもスーテッドもない)
用語まとめ
- スティール:レイトポジでブラインドを盗む目的のオープン
- テーブルの王:BTN の通称
- スティール専用ハンド:32s, A2o など、降ろせれば勝ちのハンド
このレッスンの要点
- BTN レンジは約 45〜50 %、配られたハンドの半分以上
- A 全オフスーテッド、K 全スーテッド、Q 全スーテッド
- 1 周で +1.5 BB 稼ぐのが目安
- 「広すぎる」と感じても、理論的に正解
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