レッスン 35 / 100Phase 3:ハンドレンジ編

BTNのオープンレンジ

テーブルで最強のポジション、ボタン。レンジは約40.6%、つまり配られたハンドの約41%で参加します。「スティールマシーン」になりましょう。
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6人テーブル:ボタン(BTN)(赤)はテーブル最強の席。後ろは スモールブラインド(SB) と ビッグブラインド(BB) の2人だけ。

ボタン(BTN) オープンレンジ:約 40.6 %

最強ポジションでは、配られた 約 41 % のハンド でオープン参加。
「強いハンドを待つ」のではなく、「何を降ろすか」を考えるレンジになります。

推奨レンジ(標準・100BB キャッシュ/MTT)

ペア

  • 22 - AA(全ペア)

A スーテッド

  • A2s - AKs(全種類)

K スーテッド

  • K2s - KQs(全種類)

Q スーテッド

  • Q2s - QJs(全種類)

J スーテッド

  • J5s - JTs

T スーテッド

  • T6s - T9s

スモール・スーテッド

  • 96s, 97s, 98s, 86s, 87s, 76s, 65s, 64s, 54s, 53s, 43s, 32s

オフスーテッド大幅拡張

  • A2o - AKo(全 A オフスーテッド)
  • K7o - KQo
  • Q9o, QTo, QJo
  • J9o, JTo
  • T9o

レンジ表ビジュアル

A K Q J T 9 8 7 6 5 4 3 2
A 🟥AA 🟥AKs 🟥AQs 🟥AJs 🟥ATs 🟥A9s 🟥A8s 🟥A7s 🟥A6s 🟥A5s 🟥A4s 🟥A3s 🟥A2s
K 🟥AKo 🟥KK 🟥KQs 🟥KJs 🟥KTs 🟥K9s 🟥K8s 🟥K7s 🟥K6s 🟥K5s 🟥K4s 🟥K3s 🟥K2s
Q 🟥AQo 🟥KQo 🟥QQ 🟥QJs 🟥QTs 🟥Q9s 🟥Q8s 🟥Q7s 🟥Q6s 🟥Q5s 🟥Q4s 🟥Q3s 🟥Q2s
J 🟥AJo 🟥KJo 🟥QJo 🟥JJ 🟥JTs 🟥J9s 🟥J8s 🟥J7s 🟥J6s 🟥J5s
T 🟥ATo 🟥KTo 🟥QTo 🟥JTo 🟥TT 🟥T9s 🟥T8s 🟥T7s 🟥T6s
9 🟥A9o 🟥K9o 🟥Q9o 🟥J9o 🟥T9o 🟥99 🟥98s 🟥97s 🟥96s
8 🟥A8o 🟥K8o 🟥88 🟥87s 🟥86s
7 🟥A7o 🟥K7o 🟥77 🟥76s
6 🟥A6o 🟥66 🟥65s 🟥64s
5 🟥A5o 🟥55 🟥54s 🟥53s
4 🟥A4o 🟥44 🟥43s
3 🟥A3o 🟥33 🟥32s
2 🟥A2o 🟥22

ボタン(BTN) の戦略哲学

「テーブルの王」

  • ポストフロップで常に最後にアクション
  • 情報優位を毎ハンド利用
  • 1 周(6 ハンド)で 1.5 BB のチップを稼ぐのが目安

「2 人を相手にする」前提

  • 後ろに スモールブラインド(SB)・ビッグブラインド(BB) の 2 人だけ
  • マルチウェイのリスクは最小
  • スティール成功率:約 65〜70 %(=スモールブラインド(SB) と ビッグブラインド(BB) がどちらも降りる確率)

追加ハンドの理由

A 全オフスーテッド

  • A2o - A9o まで全て参加
  • A ヒットで トップペア・トップキッカー(TPTK) ライク + A ブロッカー
  • ヘッズアップでもマルチウェイでも価値あり

Q 全スーテッド

  • Q2s - Q4s も追加(Q スーテッド完全網羅)
  • フラッシュ可能性 + Q ペア化

J5s, T6s

  • 低位スーテッドも追加
  • 「ナッツポテンシャル + スティール意図」

スモール・オフスーテッド

  • K7o, K8o(K ペア化、ブロッカー効果)
  • Q9o, T9o, J9o(ブロードウェイ周辺の補完)

スティールの数学

ボタン(BTN) オープンが理論的に成立する根拠:

仮定

  • 自分のオープンサイズ:2.5 BB
  • スモールブラインド(SB) と ビッグブラインド(BB) が両方フォールドする確率:65 %
  • 既にポットにある:1.5 BB(SB + BB)

期待値計算

  • スティール成功時の利益:1.5 BB(×65 %)= +0.975 BB

  • スティール失敗時:レンジ依存、ポストフロップで競争

  • スティール成功だけで +0.975 BB」が、何でもいいから参加できる根拠

つまり「ボタン(BTN) は弱いハンドでも、スティール成功率の高さでプラス」になります。

「降ろせない相手」への対策

ビッグブラインド(BB) が「タイトすぎてオープン以上必ずコール」する場合:

対策① レンジを狭める(タイト調整)

  • ビッグブラインド(BB) がディフェンスを広げてくる → スティール成功率低下
  • 35 〜 40 % まで絞る

対策② サイズを大きくする

  • 2.5 BB → 3 BB に上げて、ビッグブラインド(BB) のコール率を下げる

対策③ ポストフロップ重視

  • 弱いハンドはフォールド頻度の高いボードでのみ C ベット
  • ボードリーディングが必要(Phase 4 で扱う)

ノットルーズ:ボタン(BTN) レンジが「広い理由」

ボタン(BTN) 40 % 超は広すぎでは?」と感じるかもしれません。
プロの研究によると、ボタン(BTN) 約 40.6 % オープンが理論的に最適と分かっています。

根拠

  • ポストフロップ インポジション(IP) 優位 + スティール成功率の合計で、弱いハンドでもプラス
  • ボタン(BTN) レンジを 30 % まで絞ると「機会損失」で大幅マイナス
  • 40.6 % を超えると、スモールブラインド(SB)/ビッグブラインド(BB) の 3 ベットレンジに食われ始める

「広すぎる」と感じるのは、Phase 1〜2 の感覚が抜けていないだけです。

ボタン(BTN) で 3 ベットされた場合

スモールブラインド(SB) や ビッグブラインド(BB) から 3 ベットが飛んでくる頻度:

対戦相手 3 ベット頻度
スモールブラインド(SB)(タイト) 10〜13 %
スモールブラインド(SB)(ルース) 18〜25 %
ビッグブラインド(BB)(タイト) 6〜9 %
ビッグブラインド(BB)(ルース) 14〜20 %

これらは比較的高頻度なので、ボタン(BTN) オープンは「3 ベットされる前提で堅実なハンドが多めに必要」。

ボタン(BTN) 4 ベットレンジ

  • AA, KK, QQ(コミット)
  • AKs, AKo(コミット)
  • ライト 4 ベット:A5s, A4s(ブロッカー目的)

ハンドの「下限」を見極める

ボタン(BTN) レンジ最下限は 32sA2o のような「スティール専用」ハンド:

  • フロップで何も当たらないことが多い
  • C ベット 1 回で諦めて降りる
  • 「スティール成功 = ポット獲得」が主目的

これらは「手の強さで勝つ」のではなく、「ポジションと頻度で勝つ」ハンドです。

練習:ボタン(BTN) でのアクション判断

ボタン(BTN) で配られたハンド。レイズかフォールドか?

  1. 3♠ 2♠
  2. K♣ 6♦
  3. T♥ 6♥
  4. A♦ 4♠
  5. 7♣ 4♦
答え合わせ
  1. レイズ(32s、スーテッドコネクター最下限、ボタン(BTN) レンジに含まれる)
  2. フォールド(K6o は ボタン(BTN) レンジ外、K7o から含まれる)
  3. レイズ(T6s、T スーテッドの下限)
  4. レイズ(A4o、全 A オフスーテッド GO)
  5. フォールド(74o、コネクトもスーテッドもない)

用語まとめ

  • スティール:レイトポジでブラインドを盗む目的のオープン
  • テーブルの王:ボタン(BTN) の通称
  • スティール専用ハンド:32s, A2o など、降ろせれば勝ちのハンド

このレッスンの要点

  • ボタン(BTN) レンジは約 40.6 %、配られたハンドの約 41 %
  • A 全オフスーテッド、K 全スーテッド、Q 全スーテッド
  • 1 周で +1.5 BB 稼ぐのが目安
  • 「広すぎる」と感じても、理論的に正解

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