SBのオープンレンジ
SB は最も難しいポジション。「コール」「ミニマムレイズ」「3-bet または fold」の3つの構築戦略から、現代の主流を学びます。
SB の特殊性
SB は前のプレイヤー全員がフォールドしたあとに残るポジション。ここで自分が「オープンするか・フォールドするか」を決めます。
特殊なのは:
- 既に 0.5 BB を強制で払っている
- 後ろに BB の 1 人だけ(残り 4 人は全員フォールド済み)
- ポストフロップは BB と OOP
つまり「ヘッズアップ確定」「強制ベット済み」「ポストフロップ最悪」という 3 つの条件が同居します。
3 つの主要戦略
① レイズ・オア・フォールド(現代主流)
- オープンか降りるかの二択
- レイズサイズは 3〜3.5 BB(=やや大きめ)
- 多くの GTO ソルバーが推奨する構築
② リンプ・レイズ・ミックス
- 強いハンドはリンプ、ミドルハンドはレイズ、弱はフォールド
- BB が広く参加してくる相手に有効
- 上級者向けの構築
③ コンプリート(リンプ)多用
- BB 額の半分を追加コール(=リンプ)で「割引参加」
- 古典的な構築、現代では非推奨
- BB の 3 ベットに脆い
このレッスンでは ①レイズ・オア・フォールド を標準として扱います。
SB オープンレンジ(レイズ・オア・フォールド構築)
ペア
- 22 - AA(全ペア)
A スーテッド
- A2s - AKs
K スーテッド
- K2s - KQs
Q スーテッド
- Q5s - QJs
J スーテッド
- J6s - JTs
T スーテッド
- T7s - T9s
スーテッドコネクター
- 54s, 65s, 76s, 87s, 98s, 97s
オフスーテッド
- A4o - AKo(A4o から AKo まで)
- K7o - KQo
- Q9o, QTo, QJo
- JTo
合計:約 35〜40 % のハンド
レンジ表ビジュアル
| A | K | Q | J | T | 9 | 8 | 7 | 6 | 5 | 4 | 3 | 2 | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| A | 🟥AA | 🟥AKs | 🟥AQs | 🟥AJs | 🟥ATs | 🟥A9s | 🟥A8s | 🟥A7s | 🟥A6s | 🟥A5s | 🟥A4s | 🟥A3s | 🟥A2s |
| K | 🟥AKo | 🟥KK | 🟥KQs | 🟥KJs | 🟥KTs | 🟥K9s | 🟥K8s | 🟥K7s | 🟥K6s | 🟥K5s | 🟥K4s | 🟥K3s | 🟥K2s |
| Q | 🟥AQo | 🟥KQo | 🟥QJs | 🟥QTs | 🟥Q9s | 🟥Q8s | 🟥Q7s | 🟥Q6s | 🟥Q5s | ⬜ | ⬜ | ⬜ | |
| J | 🟥AJo | 🟥KJo | 🟥QJo | 🟥JJ | 🟥JTs | 🟥J9s | 🟥J8s | 🟥J7s | 🟥J6s | ⬜ | ⬜ | ⬜ | ⬜ |
| T | 🟥ATo | 🟥KTo | 🟥QTo | 🟥JTo | 🟥TT | 🟥T9s | 🟥T8s | 🟥T7s | ⬜ | ⬜ | ⬜ | ⬜ | ⬜ |
| 9 | 🟥A9o | 🟥K9o | 🟥Q9o | ⬜ | ⬜ | 🟥99 | 🟥98s | 🟥97s | ⬜ | ⬜ | ⬜ | ⬜ | ⬜ |
| 8 | 🟥A8o | 🟥K8o | ⬜ | ⬜ | ⬜ | ⬜ | 🟥88 | 🟥87s | ⬜ | ⬜ | ⬜ | ⬜ | ⬜ |
| 7 | 🟥A7o | 🟥K7o | ⬜ | ⬜ | ⬜ | ⬜ | ⬜ | 🟥77 | 🟥76s | ⬜ | ⬜ | ⬜ | ⬜ |
| 6 | 🟥A6o | ⬜ | ⬜ | ⬜ | ⬜ | ⬜ | ⬜ | ⬜ | 🟥66 | 🟥65s | ⬜ | ⬜ | ⬜ |
| 5 | 🟥A5o | ⬜ | ⬜ | ⬜ | ⬜ | ⬜ | ⬜ | ⬜ | ⬜ | 🟥55 | 🟥54s | ⬜ | ⬜ |
| 4 | 🟥A4o | ⬜ | ⬜ | ⬜ | ⬜ | ⬜ | ⬜ | ⬜ | ⬜ | ⬜ | 🟥44 | ⬜ | ⬜ |
| 3 | ⬜ | ⬜ | ⬜ | ⬜ | ⬜ | ⬜ | ⬜ | ⬜ | ⬜ | ⬜ | ⬜ | 🟥33 | ⬜ |
| 2 | ⬜ | ⬜ | ⬜ | ⬜ | ⬜ | ⬜ | ⬜ | ⬜ | ⬜ | ⬜ | ⬜ | ⬜ | 🟥22 |
サイズが大きめ(3〜3.5 BB)の理由
SB オープンサイズは BTN(2.5 BB)より大きめにします。
理由 ① BB を降ろしやすくする
- 大きいサイズで BB のコール率を下げる
- ヘッズアップ・ポストフロップ OOP を回避したい
理由 ② SB の OOP 不利を相殺
- ポストフロップで不利な分、プリフロップで主導権を強める
- 「フロップを見ずに勝つ」のが最良の SB プラン
BB のディフェンス頻度
SB の 3 BB オープンに対する BB のディフェンス頻度:
| ハンド種 | BB の応答 |
|---|---|
| AA-TT | 3 ベット |
| AK, AQ | 3 ベット |
| 99-22 | コール |
| AJs-A2s | コール |
| ブロードウェイスーテッド | コール |
| スーテッドコネクター | コール |
| その他 | フォールド |
BB は約 40〜45 % のハンドで応答してきます。つまり SB オープンは半分以上の確率で「コール or 3 ベット」される 前提です。
ポストフロップ:OOP の戦い方
SB がオープンしてヘッズアップになった場合のフロップ戦略:
C ベット率は低めに
- レンジ全体で 50〜60 % 程度(BTN なら 70 %+)
- OOP は「外したらチェック」が基本
チェック・コール頻度を上げる
- BB が IP を活かしてフロート(=ブラフ)してくる
- ペア類は「降りずに見続ける」が正解
チェックレイズの活用
- 強いハンド(セット、トップツーペア)でチェックレイズ
- 「OOP の弱さ」を逆手に取る上級技
SB で「リンプ」を選ぶべきとき
主流は「レイズ・オア・フォールド」ですが、リンプが許容される場面:
状況 ① BB が極端にタイト
- BB が「コールほぼなし、降りるか 3 ベットの二択」
- リンプ → BB チェックでフロップ → ヘッズアップ・小ポット展開
状況 ② BB が極端に弱い
- BB がブラインドを守りすぎる(=何でもコール)
- レイズしてもコールされる → リンプで安く参加
状況 ③ ライブ低レート
- リンプが常態化、リンプから始めて 後でブラフを混ぜる構築
これらの状況以外は、現代理論ではレイズ・オア・フォールドが正解。
SB の「降ろされない」プレッシャー
SB は「コール過多」が最大の敵:
NG パターン
- 弱いハンドで「半額だから」とリンプ
- BB が大きく 3 ベット → やむなくコール → ポストフロップで OOP
- 結果、4〜5 BB を浪費
対策
- レイズ・オア・フォールドの徹底
- リンプは禁止(上記の例外を除く)
- 「降りる勇気を SB こそ持つ」
練習:SB でのアクション判断
SB で配られたハンド。レイズかフォールドか?
- K♥ 5♥
- A♦ 4♣
- Q♠ 9♠
- T♣ 7♣
- J♥ 8♦
答え合わせ
- レイズ(K5s、K スーテッド全部)
- レイズ(A4o、A4o+ オフスーテッド)
- レイズ(Q9s、Q5s+ に含まれる)
- レイズ(T7s、T7s+)
- フォールド(J8o、SB でも弱め)
用語まとめ
- レイズ・オア・フォールド:SB の現代主流戦略
- コンプリート:SB から BB との差額(=BB の半額)だけ追加して参加
- ディフェンス頻度:BB が SB に対して応答(コール or 3 ベット)する頻度
このレッスンの要点
- SB は「レイズ・オア・フォールド」が現代主流
- レンジは約 35〜40 %、サイズは 3〜3.5 BB と大きめ
- BB のディフェンス頻度約 40〜45 %、半分以上は応答される
- ポストフロップは OOP、チェック多めの慎重ライン
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