レッスン 36 / 100 Phase 3:ハンドレンジ編

SBのオープンレンジ

SB は最も難しいポジション。「コール」「ミニマムレイズ」「3-bet または fold」の3つの構築戦略から、現代の主流を学びます。
POKER UTG MP CO BTN SB BB D
6人テーブル:SB(赤)。前の全員が降りた後、BBと一対一で戦う特殊な席。

SB の特殊性

SB は前のプレイヤー全員がフォールドしたあとに残るポジション。ここで自分が「オープンするか・フォールドするか」を決めます。

特殊なのは:

  • 既に 0.5 BB を強制で払っている
  • 後ろに BB の 1 人だけ(残り 4 人は全員フォールド済み)
  • ポストフロップは BB と OOP

つまり「ヘッズアップ確定」「強制ベット済み」「ポストフロップ最悪」という 3 つの条件が同居します。

3 つの主要戦略

① レイズ・オア・フォールド(現代主流)

  • オープンか降りるかの二択
  • レイズサイズは 3〜3.5 BB(=やや大きめ)
  • 多くの GTO ソルバーが推奨する構築

② リンプ・レイズ・ミックス

  • 強いハンドはリンプ、ミドルハンドはレイズ、弱はフォールド
  • BB が広く参加してくる相手に有効
  • 上級者向けの構築

③ コンプリート(リンプ)多用

  • BB 額の半分を追加コール(=リンプ)で「割引参加」
  • 古典的な構築、現代では非推奨
  • BB の 3 ベットに脆い

このレッスンでは ①レイズ・オア・フォールド を標準として扱います。

SB オープンレンジ(レイズ・オア・フォールド構築)

ペア

  • 22 - AA(全ペア)

A スーテッド

  • A2s - AKs

K スーテッド

  • K2s - KQs

Q スーテッド

  • Q5s - QJs

J スーテッド

  • J6s - JTs

T スーテッド

  • T7s - T9s

スーテッドコネクター

  • 54s, 65s, 76s, 87s, 98s, 97s

オフスーテッド

  • A4o - AKo(A4o から AKo まで)
  • K7o - KQo
  • Q9o, QTo, QJo
  • JTo

合計:約 35〜40 % のハンド

レンジ表ビジュアル

AKQJT98765432
A🟥AA🟥AKs🟥AQs🟥AJs🟥ATs🟥A9s🟥A8s🟥A7s🟥A6s🟥A5s🟥A4s🟥A3s🟥A2s
K🟥AKo🟥KK🟥KQs🟥KJs🟥KTs🟥K9s🟥K8s🟥K7s🟥K6s🟥K5s🟥K4s🟥K3s🟥K2s
Q🟥AQo🟥KQo🟥QQ🟥QJs🟥QTs🟥Q9s🟥Q8s🟥Q7s🟥Q6s🟥Q5s
J🟥AJo🟥KJo🟥QJo🟥JJ🟥JTs🟥J9s🟥J8s🟥J7s🟥J6s
T🟥ATo🟥KTo🟥QTo🟥JTo🟥TT🟥T9s🟥T8s🟥T7s
9🟥A9o🟥K9o🟥Q9o🟥99🟥98s🟥97s
8🟥A8o🟥K8o🟥88🟥87s
7🟥A7o🟥K7o🟥77🟥76s
6🟥A6o🟥66🟥65s
5🟥A5o🟥55🟥54s
4🟥A4o🟥44
3🟥33
2🟥22

サイズが大きめ(3〜3.5 BB)の理由

SB オープンサイズは BTN(2.5 BB)より大きめにします。

理由 ① BB を降ろしやすくする

  • 大きいサイズで BB のコール率を下げる
  • ヘッズアップ・ポストフロップ OOP を回避したい

理由 ② SB の OOP 不利を相殺

  • ポストフロップで不利な分、プリフロップで主導権を強める
  • フロップを見ずに勝つ」のが最良の SB プラン

BB のディフェンス頻度

SB の 3 BB オープンに対する BB のディフェンス頻度:

ハンド種BB の応答
AA-TT3 ベット
AK, AQ3 ベット
99-22コール
AJs-A2sコール
ブロードウェイスーテッドコール
スーテッドコネクターコール
その他フォールド

BB は約 40〜45 % のハンドで応答してきます。つまり SB オープンは半分以上の確率で「コール or 3 ベット」される 前提です。

ポストフロップ:OOP の戦い方

SB がオープンしてヘッズアップになった場合のフロップ戦略:

C ベット率は低めに

  • レンジ全体で 50〜60 % 程度(BTN なら 70 %+)
  • OOP は「外したらチェック」が基本

チェック・コール頻度を上げる

  • BB が IP を活かしてフロート(=ブラフ)してくる
  • ペア類は「降りずに見続ける」が正解

チェックレイズの活用

  • 強いハンド(セット、トップツーペア)でチェックレイズ
  • 「OOP の弱さ」を逆手に取る上級技

SB で「リンプ」を選ぶべきとき

主流は「レイズ・オア・フォールド」ですが、リンプが許容される場面:

状況 ① BB が極端にタイト

  • BB が「コールほぼなし、降りるか 3 ベットの二択」
  • リンプ → BB チェックでフロップ → ヘッズアップ・小ポット展開

状況 ② BB が極端に弱い

  • BB がブラインドを守りすぎる(=何でもコール)
  • レイズしてもコールされる → リンプで安く参加

状況 ③ ライブ低レート

  • リンプが常態化、リンプから始めて 後でブラフを混ぜる構築

これらの状況以外は、現代理論ではレイズ・オア・フォールドが正解。

SB の「降ろされない」プレッシャー

SB は「コール過多」が最大の敵:

NG パターン

  • 弱いハンドで「半額だから」とリンプ
  • BB が大きく 3 ベット → やむなくコール → ポストフロップで OOP
  • 結果、4〜5 BB を浪費

対策

  • レイズ・オア・フォールドの徹底
  • リンプは禁止(上記の例外を除く)
  • 降りる勇気を SB こそ持つ

練習:SB でのアクション判断

SB で配られたハンド。レイズかフォールドか?

  1. K♥ 5♥
  2. A♦ 4♣
  3. Q♠ 9♠
  4. T♣ 7♣
  5. J♥ 8♦
答え合わせ
  1. レイズ(K5s、K スーテッド全部)
  2. レイズ(A4o、A4o+ オフスーテッド)
  3. レイズ(Q9s、Q5s+ に含まれる)
  4. レイズ(T7s、T7s+)
  5. フォールド(J8o、SB でも弱め)

用語まとめ

  • レイズ・オア・フォールド:SB の現代主流戦略
  • コンプリート:SB から BB との差額(=BB の半額)だけ追加して参加
  • ディフェンス頻度:BB が SB に対して応答(コール or 3 ベット)する頻度

このレッスンの要点

  • SB は「レイズ・オア・フォールド」が現代主流
  • レンジは約 35〜40 %、サイズは 3〜3.5 BB と大きめ
  • BB のディフェンス頻度約 40〜45 %、半分以上は応答される
  • ポストフロップは OOP、チェック多めの慎重ライン

おすすめ書籍・グッズ
世界のヨコサワの世界一やさしいポーカーの勝ち方
日本一有名なポーカーYouTuber「世界のヨコサワ」が書いたベストセラー入門書。図解豊富で、このレッスンと並行して読むのに最適な一冊。