レッスン 37 / 100 Phase 3:ハンドレンジ編

BBのディフェンスレンジ

BBは「オープン」ではなく「ディフェンス(守備)」が主役。誰のオープンに、どこまで広くコール/3ベットするかを学びます。
POKER UTG MP CO BTN SB BB D
6人テーブル:BB(赤)は強制ベット済みの最後尾、守備専門のポジション。

BB は「守りのポジション」

BB は強制で 1 BB を払っているため、プリフロップでは:

  1. 誰かがオープンしてきた → コール/3 ベット/フォールド で応答
  2. 全員フォールド → SB と勝負(ヘッズアップ)

オープンレンジは存在せず、「ディフェンスレンジ」の概念で考えます。

ディフェンスの「割引」原理

BB は既に 1 BB を払っているので、相手の 2.5 BB オープンに対するコールは:

  • コール額:1.5 BB(残り)
  • ポット:2.5 + 0.5 + 1 + 1.5 = 5.5 BB
  • ポット・オッズ:1.5 / 5.5 ≈ 27 %

つまり「27 % の勝率があればコール価値」。
ところが、ほぼ全てのプレイ可能ハンドが 27 % 以上の勝率を持つため、BB は 非常に広く ディフェンスできます。

ディフェンス例:BB が K9o で BTN にコール → フロップ K-7-2

K K 9 9
ボード K K 7 7 2 2

トップペア・セカンドキッカー」、典型的なチェック・コール候補ハンド。BB ディフェンスで残ったハンドは、こうした「ヒットしたら安く見て、外したら降りる」運用が基本です。

オープナー別 BB ディフェンスレンジ

ディフェンスはオープナーのレンジに依存します:

オープナー推定オープンレンジBB ディフェンス頻度
UTG15 %約 25 %
MP18 %約 30 %
CO28 %約 35 %
BTN48 %約 40〜45 %
SB35 %約 40〜45 %

オープナーのレンジが広いほど、BB のディフェンスも広く取れます。

BB ディフェンスの構成

ディフェンスは大きく 2 つに分けられます:

コール部分

  • ヒットして勝てる中堅ハンド
  • スーテッドコネクター、ブロードウェイ・スーテッド、ミドルペア

3 ベット部分

  • バリュー:プレミアム(AA, KK, QQ, JJ, AK)
  • ブラフ:A2s-A5s、ライト 3 ベット用

BB vs BTN ディフェンスレンジ(実例)

BTN オープン(48 % 想定)に対する BB のディフェンス:

3 ベット

  • AA, KK, QQ, JJ, TT
  • AKs, AKo, AQs, AQo
  • AJs(一部)
  • A5s, A4s, A3s, A2s(ライト 3 ベット)

コール

  • 22-99
  • AJo, ATs, ATo
  • KQs, KJs, KTs, K9s, KQo, KJo
  • QJs, QTs, Q9s, QJo, QTo
  • JTs, J9s, J8s, JTo
  • T9s, T8s, T7s
  • 98s, 97s, 87s, 86s, 76s, 75s, 65s, 54s
  • A9s, A8s, A7s, A6s

合計:約 40〜45 %

BB vs UTG ディフェンスレンジ

UTG(15 % のタイト)に対しては大きく絞る:

3 ベット

  • AA, KK, QQ(4 ベット必至でも GO)
  • AKs, AKo

コール

  • 22-JJ(セットマイニング)
  • AJs, ATs, KQs, KJs, QJs, JTs
  • T9s, 98s, 87s, 76s

合計:約 22〜25 %

UTG が広いハンドを持っていない前提なので、スーテッドコネクターも「セットマイニング型」のハンドだけ残します。

オープンサイズの影響

オープンサイズが変わると、ディフェンス頻度も変わります:

サイズBB のコール参加レンジ
2 BB(ミン)〜 50 %(広い)
2.5 BB〜 42 %
3 BB〜 38 %
3.5 BB〜 30 %
4 BB〜 22 %(狭い)

サイズが大きいほど、ディフェンスを絞る。「ハンドの強さよりサイズに反応する」 のが BB の鉄則です。

アンティ付きでの調整

MTT 中盤以降の「アンティ付き」では、ポットが大きいため:

  • BB のディフェンス頻度を +5〜10 % 上げる
  • 弱めのハンドでもコール価値が出る

理由:ポット・オッズが良くなるため。3 BB オープン + アンティ 30 % 追加なら、コール 2 BB に対するポット 5.3 BB → 必要勝率 27 % が 22 % に下がる。

「コールしない」勇気も必要

BB だから何でもコール、は最悪の戦略。

コールしてはいけない代表ハンド

  • K2o, K3o, … K6o:K ヒットしても勝てない
  • Q2o, Q3o, …, Q5o:弱すぎる
  • J2o, J3o, …, J7o:完全な負け確定
  • 何も繋がっていないオフスーテッド:65o, 54o, T6o 等

コールド・コールド対 BTN は 40 % だが、何でもいい訳ではない」 ── 残り 60 % はフォールド対象。

ポストフロップ:BB は OOP

BB ディフェンスで残ったハンドは、ポストフロップで全て OOP。
これがディフェンスの最大の難しさです。

BB の典型フロップ戦略

  1. チェック・コール:トップペア、中堅ハンド
  2. チェックレイズ:強いハンド(セット、ツーペア)、強いドロー(OESD + FD)
  3. チェック・フォールド:完全ミス

ベットしない」がデフォルトの戦略。レンジを守りつつ、相手の C ベットを受け流します。

3 ベットを混ぜる重要性

BB が「コールだけ」だと、相手はバランス良く C ベットを打てて損です。

BB の 3 ベットによる効果

  1. 相手のオープンレンジを狭めさせる(=次のハンドのオープン頻度低下)
  2. 自分のレンジに「強さ」を含めて、ポストフロップでチェックレイズに信ぴょう性
  3. ライト 3 ベットでブラインドを取り返す

練習:BB ディフェンス判断

BTN が 2.5 BB オープン。あなたが BB。以下の判断は?

  1. K♥ 9♣
  2. A♦ 5♠
  3. 7♣ 2♣
  4. Q♠ J♠
  5. 8♥ 8♦
答え合わせ
  1. コール(K9o、BB vs BTN ディフェンスレンジ内)
  2. 3 ベット(A5s、ライト 3 ベットの代表)
  3. フォールド(72s、ナッツポテンシャル弱い)
  4. コール or 3 ベット(QJs、コール推奨)
  5. 3 ベット(88、バリュー 3 ベット)

用語まとめ

  • ディフェンスレンジ:BB がオープンに対して応答する範囲
  • 割引コール:既に BB を払っている分、コール価値が高い
  • ライト 3 ベット:弱めのハンドでのブラフ 3 ベット
  • チェックレイズ:OOP からのチェック → 相手ベット → レイズ

このレッスンの要点

  • BB はオープンせず、「ディフェンスレンジ」で応答する
  • オープナーのレンジが広いほどディフェンスを広げる
  • サイズが大きいオープンには絞る
  • 3 ベットも混ぜて、相手の C ベットを抑える

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