トーナメントでは、同じスタックでもブラインドが上がるほど「余裕」は減っていきます。その余裕を数値化したのが**Mレシオ(M値)**です。bb(ビッグブラインド)数だけでは見えにくいプレッシャーを、より実態に近い形でつかめます。

Mレシオの計算方法

Mレシオは次の式で求めます。

M = 自分のスタック ÷ (SB + BB + アンティ合計)

分母は「1周(1ラウンド)で必ず支払う額」です。つまりMは、何もしなくても何周ブラインドに耐えられるかの目安を表します。M=10なら、配られるだけで10周は生き残れる、というイメージです。

ハリントンの5ゾーン

ダン・ハリントンが提唱したゾーン分けは、おおよそ次の目安です。

  • グリーン(M>20):余裕あり。じっくりポストフロップで戦える。
  • イエロー(M 10〜20):やや窮屈。手の選択を引き締める。
  • オレンジ(M 6〜10):プレッシャー大。先手を取る動きが中心。
  • レッド(M 1〜5):プッシュかフォールドの世界。
  • デッド(M1未満):1周もたない。最後のチャンスに賭ける段階。

あくまで目安であり、テーブルの人数やプレイヤーの傾向で調整します。

ゾーン別の戦い方

深い(グリーン)ほど、コール後のポストフロップで相手を出し抜く余地があります。浅くなる(オレンジ〜レッド)ほど、コールしてフロップを見るチップが残らないため、プッシュ/フォールドの二択が基本になります。

プッシュ/フォールド戦術が本格化するのは、概ね10〜15bb以下あたり。ここからはプッシュ/フォールドチャートを頼りに、レンジで判断するのが現実的です。

bb数との違い

近年はbb数で語る場面が多いですが、Mはアンティを含めた支払い全体を見るため、アンティの重みが増えた終盤ほど実態に合います。両方を併用し、「bbでの単発の勝負」と「Mでの長期的な余命」を分けて考えるのがおすすめです。

まとめ

Mレシオは「あと何周もつか」を測る指標で、ゾーン(おおよそ M>20 グリーン/10〜20 イエロー/6〜10 オレンジ/1〜5 レッド/1未満 デッド)ごとに戦い方を切り替える道しるべになります。深ければポストフロップ、浅ければプッシュ/フォールド。アンティ後の急低下にも注意して、bb数と併せて余裕を管理しましょう。

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