トーナメントが進んでブラインドが上がると、自分のスタックは相対的にどんどん浅くなります。スタックが浅くなると、レイズしてフロップ以降を戦う「余地」が消え、行動は「オールイン(プッシュ)か、降りる(フォールド)か」の二択に収束します。これがプッシュ/フォールド(押し引き)です。

プッシュフォールドが本格化するスタック帯

目安として、おおよそ10〜15bb以下になると、通常のレイズをしても降りるための余白がほとんど残りません。レイズ額がスタックの大部分を占めてしまい、コールやリレイズに対して降りられないからです。こうなると、最初からオールインしてしまうほうがシンプルで強い、という発想に切り替わります。

Mレシオで見ると、おおよそ M が10を切るオレンジゾーン以下(M>20 グリーン / 10〜20 イエロー / 6〜10 オレンジ / 1〜5 レッド / 1未満 デッド、いずれも目安)で押し引きの意識が強くなります。

ポジションと相手数の影響

プッシュできる手の広さは、自分の後ろに残っている人数で大きく変わります。後ろの人数が少ないほど、そしてレイトポジションほど、より広いハンドでプッシュできます。理由は単純で、自分のプッシュに対してコール(または被せ)してくる可能性のあるプレイヤーが少ないほど、降ろして勝てる確率が上がるからです。

ボタンやSB(スモールブラインド)からのプッシュはかなり広く、UTGなど早いポジションからは狭く、というのが基本の感覚です。

フォールドエクイティと二段構え

プッシュが成立するのは、二つの勝ち筋があるからです。

スタックが浅いほどブラインド・アンテの比重が大きく、降ろすだけでスタックを大きく増やせるため、フォールドエクイティの価値が相対的に高まります。

早見表(チャート)は目安として使う

押し引きの判断を支援する早見表(プッシュフォールドチャート)が広く知られていますが、これはあくまで目安です。相手のコール傾向、テーブルの人数、そして賞金の壁(ICM)によって最適解は動きます。チャートを丸暗記するのではなく、後ろの人数とポジション、相手のタイプで微調整する姿勢が大切です。

まとめ

おおよそ10〜15bb以下になると押し引きが本格化し、行動はプッシュかフォールドの二択に収束します。後ろの人数が少なくレイトポジションほど広くプッシュでき、フォールドエクイティとショーダウンエクイティの二段構えが勝ち筋です。早見表は便利な目安ですが、相手やICMに応じて調整しましょう。詳しい全体像はトーナメント戦略ガイドでも整理しています。

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