レッスン 31 / 100Phase 3:ハンドレンジ編

ハンドレンジ表の読み方

ポーカー学習の最重要ツール「ハンドレンジ表」。13×13マスの見方が分かれば、これからの全レッスンの理解が一気に楽になります。

13×13 マスの正体

ポーカーで配られる 2 枚のホールカードの組み合わせは、トランプ全体では C(52,2) = 1326 通り あります。しかし、これを「ハンドの種類」として整理すると、たった 169 種類 に集約できます。

なぜ 169 通りなのか:

  • スートを区別しない(=スーテッドかオフスーテッドかだけが意味を持つ)
  • 順序を区別しない(AK と KA は同じハンド)

この 169 種類を、13×13 のマス目 に整理したのがハンドレンジ表です。

基本構造

A K Q J T
A AA AKs AQs AJs ATs
K AKo KK KQs KJs KTs
Q AQo KQo QQ QJs QTs
J AJo KJo QJo JJ JTs
T ATo KTo QTo JTo TT
位置 意味
対角線(左上→右下) ポケットペア(AA, KK, QQ … 22)13 種類
対角線の右上側 スーテッド(同スート)78 種類
対角線の左下側 オフスーテッド(異スート)78 種類
合計 13 + 78 + 78 = 169 種類

このマス目の どこに色を塗るか で「どのハンドでこのアクションをするか」が一目で分かります。

表記の慣習

表記 意味
AKs A と K のスーテッド(A♥K♥ など、同スート)
AKo A と K のオフスーテッド(A♥K♠ など、異スート)
TT ポケットテン(10♥10♣ など、同じ数字 2 枚)
JTs+ JTs 以上のスーテッド連結(JTs, QJs, KQs を含む)
A2s-A5s A2s から A5s までの 4 種類
66+ 66 以上のすべてのペア(66, 77, … AA)

これらの表記は次の Phase でも頻繁に使うので、視覚で覚えてください。

各ハンドの「重み」

169 種類はそれぞれ確率が違います:

カテゴリ 種類数 1 種類あたりの確率 カテゴリ合計確率
ペア 13 0.45 % 5.88 %
スーテッド 78 0.30 % 23.5 %
オフスーテッド 78 0.90 % 70.6 %

つまり、配られるホールカードの 約 70 % はオフスーテッド です。
これが「ペア + スーテッドだけで戦う」=タイト戦略の正体です。

マス目を「塗る」3 種類のアクション

レンジ表では、各マスを色で塗ってアクションを示します。

アクション
🟥 赤 レイズ/3 ベット
🟩 緑 コール
⬜ 白/グレー フォールド
🟨 黄 ミックス(一部レイズ、一部コール)

例:「ボタン(BTN) オープンレンジ」は、169 マスのうち約 80 マスが赤で塗られた状態になります。

実例:ボタン(BTN) オープンレンジ(簡易版)

A K Q J T 9 8 7 6 5 4 3 2
A 🟥AA 🟥AKs 🟥AQs 🟥AJs 🟥ATs 🟥A9s 🟥A8s 🟥A7s 🟥A6s 🟥A5s 🟥A4s 🟥A3s 🟥A2s
K 🟥AKo 🟥KK 🟥KQs 🟥KJs 🟥KTs 🟥K9s 🟥K8s 🟥K7s 🟥K6s 🟥K5s 🟥K4s 🟥K3s 🟥K2s
Q 🟥AQo 🟥KQo 🟥QQ 🟥QJs 🟥QTs 🟥Q9s 🟥Q8s 🟥Q7s 🟨Q6s
J 🟥AJo 🟥KJo 🟥QJo 🟥JJ 🟥JTs 🟥J9s 🟥J8s 🟨J7s
T 🟥ATo 🟥KTo 🟥QTo 🟥JTo 🟥TT 🟥T9s 🟥T8s
9 🟥A9o 🟨K9o 🟨J9o 🟨T9o 🟥99 🟥98s 🟥97s
8 🟨A8o 🟥88 🟥87s 🟨86s
7 🟨A7o 🟥77 🟥76s 🟨75s
6 🟨A6o 🟥66 🟥65s 🟨64s
5 🟨A5o 🟥55 🟥54s 🟨53s
4 🟥44
3 🟥33
2 🟥22

赤+黄でレンジ計算すると、約 40.6 %。これが「ボタン(BTN) は半分以上のハンドでオープン」の正体です。

インタラクティブなレンジ表は ツール:ハンドレンジ・ビジュアライザー で操作できます。

レンジ表は「丸暗記」するもの

「考えて思い出す」ではなく、見た瞬間にアクションが出る状態を目指します。

暗記のコツ

  1. 対角線(ペア)から覚える:右上の AA から左下の 22 まで、どこまで塗るか
  2. A 行を覚える:A2s から A2o まで、どこまでレイズ/コール/フォールドか
  3. K 行、Q 行と進む:ペア+ A 行+ K 行で 8 割の判断ができる
  4. スーテッド連結(QJs, JTs, T9s …) は連続して塗られていることが多い

暗記期間の目安

  • 各ポジション 1 つにつき 2〜3 日
  • 6 ポジション × 3 種類のアクション = 約 1 ヶ月で全パターン暗記

ポジション別「広さ」の比較

ポジション おおよそのオープン頻度 暗記順序
アンダーザガン(UTG) 17.5 % 5 番目
ミドルポジション(MP) 21.7 % 4 番目
カットオフ(CO) 27.9 % 2 番目
ボタン(BTN) 40.6 % 1 番目(ここから)
スモールブラインド(SB) 34.5 % 6 番目
ビッグブラインド(BB) (ディフェンスレンジ)30〜40 % 3 番目

ボタン(BTN) から覚えるのが効率的。最も使用頻度が高く、レンジが広いため「マス全体の感覚」が掴みやすいです。

レンジ表の限界と「ノード」の概念

レンジ表は「プリフロップで誰もアクションしていない」場合のオープンレンジを示します。
状況が変わるたびに、別のレンジ表が必要です:

  • 「アンダーザガン(UTG) オープンに対する ミドルポジション(MP) の応答」
  • 「アンダーザガン(UTG) オープン → カットオフ(CO) 3 ベットに対する ボタン(BTN) の応答」
  • 「ボタン(BTN) オープン → ビッグブラインド(BB) 3 ベットに対する ボタン(BTN) の 4 ベットレンジ」

これらを「ノード」と呼びます。プロは数百のノードに対応するレンジを記憶しています。

最初はオープンレンジ 6 種類だけ完璧にすれば十分です。Phase 3 ではこれを順に学んでいきます。

練習:このマス、どのハンド?

レンジ表を見て、瞬時に正解できるようになりましょう。

  1. 「左上から 3 つめ・上から 1 行め」のマスは?
  2. 「対角線上の 6 つめ」のマスは?
  3. 「最右下のマス」は?
答えを見る
  1. AQs(A の行、Q の列)
  2. 99(A=1, K=2, Q=3, J=4, T=5, 9=6)
  3. 22(最弱ペア)

用語まとめ

  • ハンドレンジ表:169 種類のハンドを 13×13 マスで表示した表
  • スーテッド(s):同スート
  • オフスーテッド(o):異スート
  • ノード:プリフロップの特定の状況(オープン、3 ベット応答など)

このレッスンの要点

  • 169 種類のホールカードを 13×13 マスで整理
  • 対角線がペア、右上がスーテッド、左下がオフスーテッド
  • 約 70 % のハンドはオフスーテッド(=多くは捨てる)
  • ボタン(BTN) から暗記を始めて、カットオフ(CO) → ビッグブラインド(BB) → ミドルポジション(MP) → アンダーザガン(UTG) → スモールブラインド(SB) の順

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